アフリカの最貧国の1つであるマラウイで起業して3ヶ月。1月の売上高が100万に到達しました!利益は内緒です…笑。今後は更に急成長が予測されますので(わかりませんが笑)、初心を振り返る意味で、今回100万に到達するまでの道のりを書き留めさせていただきます!
2017年11月16日にマラウイ到着
マラウイに着いたのが約3ヶ月前です。
その前にケニア、タンザニアなどに立ち寄り、起業家の方や、協力隊の方に沢山会ってアフリカの事を教えて貰いました。
しかし、着いたはいいが「何をして良いのかわからない」「英語がわからない」という問題に直面しました。
なので、マラウイ人とたくさん会って話すことを最初は徹底的に行いました。
予定がなくても、街に出かけて話を聞く。クラブに行って酔っ払いと踊る。村のNGOに参加する。
こんな事を繰り返している内にマラウイ人の考えている事が少しづつ理解できるようになりました。
同時にマラウイ経済を牛耳っているインド人にも話を聞くようにしました。インド人はテンションが低くて話しかけづらいのですが、何度も会いに行くうちに色々と教えてくれるようになりました。
その後、少しづつ会話ができるようになり、マラウイの産業や政治について会話をするようになりました。3割くらいしか理解できていませんが笑
会社登記をし1人目の従業員を雇う
マラウイでの会社登記も同時に進めていました。会社登記も英語がよくわからないので、仲良くなったマラウイ人に助けて貰いながら要点だけを押さえて、登記を行いました。
マラウイでの会社登記は1週間~3ヶ月で完了します(代表が外国人かマラウイ人かによってだいぶ異なります)。まずは1人目のマラウイ人を雇い、そのマラウイ人にアドバイスを貰いながらテストを繰り返し行いました。
タンザニアから洋服を輸入してみる
マラウイで生活する内にマラウイ人はファッションにかける思い入れが強い事がわかりました。
スーツや靴を買うために4ヶ月くらいのローンを組んだりしていました。
こんな感じです笑
洋服はタンザニアで生産されていて、仕入元はタンザニアとマラウイの国境付近であるムベヤという町である事がわかりました。
実際に1000着くらいの洋服を仕入れて販売をしてみました。
結果…
全く売れない。悲しいほどに売れない。
僕が見ていた「ファッションの拘りの強い人」はマラウイ人の中でも富裕層で、国民のほんの数パーセントだったのです。
84%が農業従事者のマラウイでは、「格好品にお金を掛ける」のではなく、「生きる為に必要な事にお金をかけている事」がこの失敗から学びました。
食べ物だったり、家賃だったり、「マラウイ人が何にお金を使っているのか?」という観察と考察が足りていませんでした。。
日本からパソコンの輸入をしてみる
マラウイ人はパソコンを欲しがっている人が多い。
インターネットカフェに行くと沢山のマラウイ人がパソコンを利用している。
そこで日本からパソコンを輸入してみました。
結果…
全く売れない。泣けるほどに売れない。
日本の郵便局の国際郵便が異常に高いのに加え、日本で買ったパソコンをマラウイに輸入すると24%の関税がかかるため、販売額が高くなってしまいました。
やはりマラウイ人は中国やインドの安い製品を求めています。またスマホ普及率が10%以下だと言われているマラウイでPCを持っている人は多くない。
マラウイ人のお財布事情とニーズを理解していませんでした。
ゲストハウスを始めてみる
マラウイに日本人宿がなかったので始めてみました。
これまでたくさんの協力隊の方や旅行者の方に泊まって頂きました。特に協力隊の方は2年間同じ任地で活動するので、知らない事だらけで本当に勉強になる事が多いです。
農家から野菜を仕入れ売ってみる
他にも、実際は色々試していたがゲストハウス以外はどれもピンと来ない。
ある日、協力隊の方の活動を見るために村を訪れた。その村人はほぼ全員農業従事者でした。
▲訪れた村
野菜をいくらで販売しているのかのか尋ねると、なんと大手スーパーマーケットの8分の1の価格で売られていました。
不思議に思い、農家からスーパーマーケットに至るまでのサプライチェーンを徹底的に調べました。調べる内にマラウイの面白い構造が浮かび上がって来ました。農家からスーパーに入るまでに5人から6人のサプライヤーがいたのです。
農家→ドライバー→仲卸し→ドライバー→ブローカー→スーパーマーケット、というような感じです。
ほとんどのマラウイ人は予算がないので、サプライヤーの隙間に入り込むしかないのですが、なぜお金を持っているインド人や中国人が流通をやっていないのか不思議に思いました。
マラウイはアフリカの中でも外資の投資額が少ないのです。投資額、投資環境ランキングでは毎回アフリカ諸国の中でワースト10入りしています。
インド人や中国人ですら、他の国に比べると「小金持ち」が多いのです。
野菜の卸売をしているインド人に「他の事業は始めないの?」と聞きました。そのインド人はマラウイの中でも大きな工場を持っているのですが、「新しい事業を始める余裕はないよ。もしやるなら同じ工場を別の場所でやりたい。」と言っていました。
中国人がチャイニーズレストランを開き、利益が出るとまた別の場所でチャイニーズレストランを開く。インド人がレンタカーを始め儲かると、また別の場所でレンタカーを始める。
そうゆう風に成功例をコピーするのが、マラウイに住む小金持ち(特に中国人とインド人)の特徴の1つかもしれません。
私たちは農家から大手のスーパーにダイレクトで販売ができれば、農家から高く買う事ができ、消費者に安く売る事ができると考え、小型トラックを購入してやってみました。


これは少し利益を出す事ができ、徐々に仕入先と販売網を拡大していきました。
現在ではリロングウェ市内の約85%の大手スーパーマーケットやホテル、レストランに毎月24トンの野菜を販売しています。

最近では地方都市のサリマやカスングにも流通網を拡大しています。日々、販売先の開拓に奔走しています。
この時点で従業員が3人になりました。
小売店をオープンしてみる


野菜を買って、販売する中で、スーパーの買い値が異常に安い事に気が付きました。僕らが売った価格の5倍~6倍で販売がされていたのです。
「自分たちで小売店を持てばもっと安く売る事ができる」と考え、小売店ををオープンしました。
小売店では、大手スーパーの1/4の金額で野菜が買えます。現在では小売店は3店舗(3月に2店舗追加)に増えました。
1つの小売店で1日50kg、毎月1トンの野菜販売を目標に従業員が日々営業を頑張っています。
大手スーパーへの販売量を減らし、自分たちで販売まで行う、その割合を増やして行きたいと思っています。
最初は、全体の野菜仕入れ量の5%程度でしたが、現在は10%を僕たち自身で販売をしています。30%くらいまではいけるんじゃないかと思います。
この時点で従業員が5人になりました。
データ収集を始めてみる
データ量が増えると予め計画と予測を立てる事ができるのですが、マラウイではとにかくデータが少ないです。僕らみたいなアホでもない限り、根拠なくアフリカに参入する企業はまずいないでしょう笑
小売店では、顧客データの蓄積を行っています。顧客の性別、年齢、時間帯、商品との相関性のデータを蓄積しています。
最初はPOSを導入しようと思いましたが、今世界に出回っているPOSシステムは操作が複雑すぎて、アフリカには向かないと考えました。なので、マラウイの人でも簡単に直感的に操作できるシンプルなエセPOSシステムを作り、それを基にデータ収集をしています。
農家では、時期、収穫量、値段のデータを収集しています。野菜はとてもデリケートで、時期によって価格が異なります。
マラウイで年間を通して買われているメイズでも1年間で4倍程度価格の変動があるので、買う時期と売る時期を間違えないように今の内からデータを収集しておく必要があります。
この時点で従業員が6人になりました。そして2月の売上高はようやく100万円を突破しました。
今後の展開
今後はアフリカへの進出を考えている企業が参考になるデータを提供をしていきたいと考えています。同時に検証をしてみたい商品があれば僕らの小売店で販売をする機会を作りたいと思っています。
最初は、「マラウイはアフリカの中でも発展が遅い」「マラウイでビジネスをするのは難しい」という意見が多かったのですが、そんな事はないんじゃないかと思えてきました。
スモールスタートしたい企業にとっては、最もベストな場所だと個人的には思います。例えば、これまでやってきたマラウイでの事業と同じ事を、ケニアやタンザニアでやっていたら僕らの資金はとっくに無くなっていたと思います。
この記事をご覧頂いた方ならお分かりだと思いますが、僕らがやってきた事は、新しいサービスでもなければ、複雑なビジネスモデルも必要ありません。
アフリカでの成功確率を高めるには「どれだけテストを繰り返せるか」が重要だと思います。
どれだけ予測をしても、アフリカのニーズを掴む事は簡単ではありません。
実際に「最初から最後までやってみる」まで結果はわかりません。
そのテストをローコストでスピーディーにできでしまうのはマラウイの良さです。10万円で小売店を出せたり、5000円で良い人材を雇用できたり。。
とっても広いブルーオーシャンが広がっているマラウイで(海はないですが笑)参入を考えている企業様は是非ご連絡ください。
とにかく今は売上が拡大していて楽しいし、一緒に働いてくれている従業員と一緒に喜ぶのが楽しい!そして早く建築の仕事を見つけたい!3ヶ月後どうなってるか本当に楽しみです!
アフリカのマラウイ(リロングウェ)を拠点に建築設計をしているKUNIと言います。アフリカのマラウイでは情報が少ないので、正確に丁寧な情報を発信できる様に頑張ります。何かご用件がありましたら「CONTACT」からお気軽にご連絡ください。